症状を確認してから、昔のPC仲間に意見を求めた。「MEの安定度は過去のWindowsの中でも最悪のようだ。周囲のユーザも2ndに戻したという人がほとんどだ。」という返事が返ってきた。その後、MEのインストールを5~6回繰返し、1週間ぐらいでWindowsMEを不可と決定した経験は初めてのことであった。
それにつけても、マイクロソフト自身が不可解にも、MEと同時期に発売されたNTの後継でネットワーククライアント用のWindows2000Professionalのベータ版を雑誌の付録として添付したり、かなり広範囲に配布し始めたのだ。マイクロソフトは「MEは失敗作でどうしようもないので、Windows2000を買ってください」と言っている様な気がした。
その時、私は「もう、昔のマイクロソフトではないな。」と感じた。マイクロソフトのGUIの歴史は、超駄作と言われ、発売されなかった画面が最大限4分割されることしか出来なかったWindowsVer1.0に始まり、Windows2.0 → Windows3.1 → Windows95 → Windows98とWindowsを安定度のあるプラットフォームに育ててきたマイクロソフトは、もう存在しないのであった。「MEは失敗作」であるとの私の予感は的中し、結局ME2ndは発売されず、1年後の2001年11月にはWindowsXPが発売されることとなる。
よくよく調べてみると、2000年1月にはマイクロソフトのCEOはビル・ゲイツではなく、スティーブ・バルマーが就任していた。今頃気付くのもおかしいけれど、2000年以降のマイクロソフトの製品には、「執念」がないんだな。「なあーんだ」と簡単に納得できる答えが出ていたのだ。「新しいWindowsはβ版と受止め、導入の検討はSp1が出てから」というのが、パワーユーザには常識のようだが、私も同様の感触を持っている
この時期に注文を受けたPC、ハードは845チップのマザーボードとPentium4 1.5GHz(だったと思う)を選んだが、お客様は「仕事用中心で使用する」と見栄を張っていたため、OSの採用に悩んでしまった。MEは危険、Windows 2000は価格が高すぎる 。結局、思い切って新製品のWindows Xp Homeを採用することに決定し、WindowsXpをインストールとしたところ、普通の状態では、安定動作しているのにも拘らず、終了させても、画面が消えず電源が落ちない状況が発生し始めた。大体Windowsの新製品は、一番新しいチップセットに対応しているはずだと思っていたが、今回は違ったということか。
私自身のWindowsXp感触は、「若干のタイミングのずれで電源が落ちないだけ」であったが、周辺機器の仕入先である日本橋の量販店に問合せてみると、数多くの機種で同様のトラブルが発生していて、「対応できない程クレームが多くて、Microsoftに言って貰わないと仕方がないとしか言えない状況です。」と言う。又、昔からのPC仲間に意見を求めると、「MEのトラブルを考えると、Xp導入には踏切れないでいる。」とすげない返事が返ってきた。
このWindowsXpによるトラブルで、ADSLを引けない不便な場所の客先に5回程足を運び、毎回3時間以上に及ぶ作業を行ってきたが、このままでは、塾運営に支障をきたすと考えた私は、Windows Xpに係る状況を詳細に説明した上で、「大手メーカが回収したという話は全くないし、ハードウェア的には何も問題は無い為、1~2ヶ月以内に、Windows Updateで正常に動作するはずであるから、若干の猶予期間を欲しい。」と申し出たが、お客様は全く納得せず、話し合いの結果、「今後一切、何事もサポートしない。」旨申合わせ、PC本体のみ返品に応ずることになった。
当方の落ち度としては、お客様の利益優先で考え、私自身が使用したことがないOSを採用したことであるが、こんな場合、大手メーカ製の機種で数多く同様の症状が出ていることは、トラブルの原因はWindowsXpであるとはっきり特定されてる。どこも回収しない場合は、短期で症状は収まる可能性が高い。これを「返品に応じろ。」というのは、クレーマ様かモンスタカスタマ様の類いでしかない訳で、ご勘弁願うより仕方がない。このような方は、「PCは家電品ではない」ということが理解できず、「必要とされる良きPCアドバイザ」を自ら失ったことになる。
当時は塾がまだ健在で、お客様もある程度抱えていたので、返品に応じられた。それに原価プラス設定手数料を少し頂く程度の価格にしたため、すぐに引取り手が見つかった。組立てから転売するまで、約2週間要したが、くたびれ儲けの出来事であった。現時点なら転売は難しい。
私には本当に大損害であったが、引取って頂いたお客様には本当に感謝している。当面、お客様手持ちのWindowsMeをインストールしておいて、WindowsXpが安定した時点で入れ替えることを提案しておいた。何故かBxチップでトラブルを起こしていたMeが845チップで何の問題もなく動作しているのが、不思議で仕方がなかった。しかし約1年後には、思った通りMeはトラブルを発生するようになり、結局WindowsXpSp1に交換している。
この時期から、チップセットが1年で3種類入替りがあったりするβ版状態、OSと違ってバージョンアップはマザーボードを買換えるしかない。PCパーツのほとんどが高性能化(?)のサイクルが早くなりすぎて、ちょっと高級な寿司屋のように、「全て時価」のなまものになってしまった。もう少しサイクルを遅くして、安定度のある物を求めているのは、私だけなのだろうか。
2001年12月末、今後のWindowsXpユーザに対応するため、自分用を購入してBxチップ+Pentium3のPCにインストールし、Windows98とのデュアルブートとしたが、ネットがらみの設定が楽になったぐらいで可もなく不可もなくの状態であった。ただ幸いにも前述のトラブルは発生しなかった。
2002年1月末、思ったよりも早くWindowsXpSp1がリリースされた。ダウンロードにはかなり時間を要したが、インストール後の使用感は、Sp1は作り直された別物かと思うぐらいの感覚で、Windows98よりも起動も早く安定度も増していたのだ。
再度、仕入先の日本橋の量販店や仲間にWindowsXpSp1の評判を聞いたところ、「クレームがなくなった」、「早いし、安定度が増した。理想的なOSになった。」との感想が返ってきた。それみたことか、前述のクレーマ様も、もう少し譲歩して頂けたら、Sp1にバージョンアップした時点では、きっと満足されたことに違いないのだ。本当に残念で仕方がないし、情けなくもある。以後、クレーマ様等には細心の注意を払って接してきているが、それでも7人ぐらいは遭遇している。
それがお客様ご本人である場合が一番タチが悪いが、身内や社員、友人等にこのような人が周りいると、その人の影響で、普通の人までも、無茶なことを要求するモラルを欠いたクレーマ様やモンスタカスタマ様に変身してしまう。くわばら、くわばら、私は早々に退散せねばならなくなってしまう。
以来、返品を受けた例は1件もないが、PCは使い方も使用環境も十人十色、稀によくないパーツに当たるかもしれない。どんな良いPCでもトラブルに見舞われることもある。そのため、何でもかんでも、誰彼なしに売付けるというは全くしないし、PC修理も同様に、残りの寿命が短いPCの場合、無理やりパーツ増設や交換をお勧めしない。私は「助っ人・アドバイザ」としてお客様との関係を永く続けていくため、日頃から情報収集等努力を続けている。お客様との連絡を密に、PCに掛かる費用の無駄をなくし、調子よく使って貰う方法を提案したり、トラブルを解決していくのが、私の仕事であると思っている。
ちょっと脱線しすぎで、クレーマの部分が長くなり過ぎた。Windowsについて言い忘れたことがあるので、話を戻そう。
865チップ+NorthwoodコアのPentium4 2.4CMHzでWindowsXpと98のデュアルブートで使用していたが、Windows98起動時にエラーが出た。マイクロソフトサイトで調べてみたら、「新しいCPUはWindows 98には完全対応していない。」とあったが、普通に使うのに全く支障はない。NorthwoodコアのCeleronでテストをしていないが、まあ同様の結果が出るだろう。